ルールなき“職人集団”から組織づくりを推進。 グループ運営体制へ進化。
藤山・HD株式会社
執行役員
松本 光氏
藤山・HD株式会社は、独自開発の壁面収納システム『Fitrack』『PitFit』を提供する株式会社藤山を基幹会社とする藤山グループの持株会社。2026年6月より、実質的なグループ運営体制がスタートしました。
以前のルールなき“職人集団”であった(株)藤山が、識学導入により組織マネジメントを強化。業績向上に繋げるとともに、役割と権限の明確化によってグループ展開の土台づくりを進めています。
2年9か月で実現した成果
-
売上高 5年間で
6億円→7億円
に増加 -
離職率 2025年度
平均10%→0に
-
残業時間 平均
月20→10時間
に削減
組織図や役職者は存在していても、無きがごとし
御社の沿革および概要をお教えください。
松本様:1945年に創業者である藤山実が山口県で建具店をスタートさせたのが始まりです。1990年に二代目の藤山傳一が法人化し、1993年に大阪に拠点を移して大手スーパーやホームセンター向けに什器組み立て・施工業務を始めます。2001年、後に3代目社長となる藤山雄一朗が、一般生活者向けの独自商品として壁面収納システム『Fitrack』を開発し、メーカー事業をスタートさせました。Fitrack』は現在まで主力商品となっています。2014年に藤山雄一朗が3代目社長に就任し、現在も代表(社長)を務めています。そして、株式会社藤山の各部門を分社化する形でグループ運営に舵を切り、2026年2月に持株会社および管理部門として藤山・HD株式会社を、同年6月に法人向け陳列棚の施工を手掛ける株式会社F・Yを設立しました。さらに、6月にはFitrack公式販売店としてEC運営を手掛けていたス・ティックス株式会社を傘下に収めています。『Fitrack』や、“小さな壁収納”アイテムの『PitFit』をファブレスで製造販売する株式会社藤山と併せて、4社のグループ体制をスタートさせたばかりの状況にあります。
識学のご導入に至る課題として、どういった状況があったのでしょうか?
松本様:2023年9月に識学を導入する前は20名程度の組織でしたが、組織としてのルールがなく、個々の社員が勝手に動くという状況がありました。役職者の役割や権限が決まっておらず、組織図や役職者は存在していても無きがごとくで、“社長とそれ以外”という感じだったのです。社員が上司に聞いても「分からないから社長に聞いて」と返すようなことが日常茶飯事でした。社員も上司や社長への“報連相”を行わないので、上層部が業務の状況を把握できていないといった問題がありました。また、社員が管理部門への提出物を期限までに提出せず、常にプッシュしなければならなかったり、会議に平然と遅刻するといった行動も見られました。
とは言え、そういったことは昨日今日始まったことではなく、以前から常態化していたので、課題であると認識できたのは識学を知ってからのことなのですが。

大手との取引で高まる組織マネジメント強化の必要性
少数の職人集団として、個人で動くカラーが強かったということですね?
松本様:経営者は代々建具職人で、組織マネジメントといったことには疎遠であったと思います。三代目である現在の社長も元は職人でしたが、大手企業との取引が始まったことを機に組織マネジメントを強化する必要性を感じたようです。私は2019年に管理部に入社したのですが、当時、社長は階級を明確にし、その権限を決めるなどの改善を行っていました。しかしながら、当の役職者らがその権限を行使できず、「社長に聞いて」が続いていたわけです。
識学を導入頂いたのは、どういった経緯でしたか?
松本様:2023年の夏頃、社長が私に「識学って知ってる?」と言ってきました。私は識学の名前は聞いたことがある程度で本も読んではいませんでしたが、社長は経営者仲間から識学について聞いたようで、安藤社長の本も読んでいました。「導入を検討したいから、その担当になって詳しく調べてみて」と要望され、さっそく『リーダーの仮面』を読んでみたのです。書かれてあることはいちいち納得でき、自社に欠落していることであると感じられました。そして、識学さんに問い合わせて社長とともにコンサルタントの方に当社の状況を伝えると、課題を指摘してもらえたのです。そこで正式に導入を決め、2023年9月から社長、2024年1月から私を含めて6名の役職者がマスタートレーニングを受けました。
受講してみて、どんな感想を持ちましたか?
松本様:ワクワクしました(笑)。例えば、管理部門として毎回提出物のプッシュを強いられていたのですが、そんな手間がなくなると確信できたからです。会社全体に役割と権限、ルールを明確にすることで、効率的に回していけるようになると感じましたね。
期限を守れなければ管理職昇格不可
実際にどういった施策を導入していったのでしょうか?
松本様:社長の受講終了後、社長からさっそく「姿勢のルールを導入してほしい」と要請されました。そこで、社員に対してこれまでルールがなくて困ったことをアンケート調査し、ルール化していきました。例えば、「会議の終了後、動かした机を元に戻さない人が多くいつも自分がやっていた」といった意見を基に、当該ルールを決めるといったことです。細かいことまで一旦ルール化しました。
また、人事評価制度も導入しました。それまで、別のコンサルティング会社に相談して導入しようとしていたのですが、フィットする答えが得られずにいたところ、識学の導入に合わせて整備することにしました。その評価において、「期限を守る」というルールを守れなければ管理職に昇格できないという最低限の基準を設けました。
また、一般社員にも識学の動画を見てもらい、理解度や共感度を測るサーベイを実施しました。
ルールや評価制度の導入に対し、社員はどういった反応を示しましたか?
松本様:多くの社員から「今までルールなどなくても回っていた」「ルール違反を報告するのは気が引ける」といった反発の声が挙がりました。そこで、サーベイで識学に理解を示した社員を味方につけて、ルールを守る必要性や効用を周囲に広めてもらうよう誘導したのです。また、ルールを守らない理由に「ルールの存在に気付かなかった」「ルールを忘れていた」といったことが多かったので、整理して最適化を図るとともに、ルール項目を毎朝ひとつづつ、朝礼で音読して周知を進めていきました。また、人事考課でルール順守を指標化したところ、会社の本気が伝わったようで、「ルールは守るもの」という認識が全体に広がったと思います。

“結果の完了”の追求で業績向上に
識学の導入により、どういった効用が表れていますか?
松本様:一番大きいのは、週次会議の導入だと思います。部署単位でメンバーの一週間の業務報告と翌週の業務予定を共有する場ですが、識学における“結果の完了”を追求する機会になっています。“期限”と“完了状態”を明確に決め、未達の場合はどう改善するかを明確にすることを通じて、各々の目標に向けて着実に業務が進められるようになりました。これによって“報連相”の習慣と、上司の存在が明確になるという効用も生まれています。
週次会議は、部長と役員の間でも行い、階層ごとに結果の完了を追求することで会社全体の業績アップに繋がっていると思います。
また、全体的に階層、識学で言う“位置”が明確になって、社員が社長に直接聞く、社長が社員に直接指示するといったことがなくなりました。社員としては、自らが行うべきことが明確になり、迷いなく行動できるようになったことが大きいのではないかと見ています。
成果として数値で表されるものはありますか?
松本様:識学とどれだけの因果関係があるかは不明ですが、売上高は導入前の5~6年間は6億円前後で推移していたところ、2025年度はグループ売上として7億円台に増加しました。残業時間も、それまでの月20時間程度から、月10時間ほどに半減しています。離職率においても、平均10%程度あったところ、2025年度はゼロでした。
なお、採用においても識学さんのサーベイを導入し、識学流の組織運営に理解を示せない人は採用しないことにしています。その効用が出ているのだと思っています。

“飲み会”も不可ではない
今後の課題についてお教えください
松本様:組織運営が形になってきたこともあって、マネージャーであった私と、役員の1名が社長に就任し、それぞれの権限で進めていくグループ運営体制に舵を切りました。そのうちの一人が私で、ス・ティックス株式会社を任されることになりました。今後は、それぞれの会社を着実に承継していけるよう、後継人材を育成することが課題です。識学の徹底した運営を通じて育成していきたいと考えています。
最後に、組織マネジメントに悩んでいる読者にメッセージをお願いいたします。
松本様:識学を知った当初、ガチガチにルール化をしなければならず、また飲み会も厳禁なのかと受け止めていました。実は、藤山社長も私も飲み会が大好きで、社員も楽しみにしている者が多かったのです。そこで、識学のコンサルタントに「やはり飲み会はダメなんですね?」と聞いたところ、「勧めはしませんが、会社として大事なものであるのならば、位置が崩れるようなことがないよう注意して行う分にはやっても構いません」と言われたのです。安心しました(笑)。正直言うと、一部に位置を崩すような言動を取る者が残っていますが、それが全体に波及するようなことはありません。あくまでもコミュニケーションを円滑にするぐらいの機会として捉え、それぞれの役割と権限に影響を及ぼされるようなことはないと認識している者がほとんどです。
識学に対して「軍隊のような統制を強要する」といった誤解をする人がいるようですが、そんなことはなく、柔軟であると申し添えておきます。

| 会社名 | 藤山・HD株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府東大阪市長田東2-4-47 |
| 代表者名 | 代表取締役社長 藤山雄一朗 |
| 事業内容 | 藤山グループの統括・運営 |