結果を出している人にとって良い組織へ
株式会社ROXX
代表取締役
中嶋 汰朗

株式会社ROXXは、人材領域で複数のSaaSサービスを提供するHRTechカンパニーだ。2019年7月、さらなる事業および組織成長を加速するべく社名をこれまでのSCOUTERからROXXへと変更。直近では、日本初の月額制リファレンスチェックサービス【back check】と、人材紹介会社と求人企業を繋ぐクラウド求人データベース【agent bank】の運営をおこなっている。
中嶋氏は2013年に事業を開始、累計7億円を調達するなどHR Techを代表する企業へと成長させた若手起業家だ。学生起業である中嶋氏曰く、組織においては漠然とした課題がたくさんあったという。プロダクトや資金など目に見える部分について最大限取り組む一方、目に見えにくい組織運営や人材の部分においては、どうしても優先順位を後回しにしがちだったと振り返る。識学の導入から1年が経過し、組織のブレがなくなり、事業の成長要因として大きな役割を担ったと話す。識学の導入によって、ROXXはどのように成長を遂げてきたのだろうか?
流行に流されず、組織運営の基本を愚直にトライ&エラー
識学を知ったきっかけについて教えてください。
代表取締役 中嶋 汰朗様(以下、中嶋様):弊社の投資家のひとりであるSkylandVenturesのパートナー、木下の紹介で識学を知ったことがきっかけでした。2018年7月頃のことです。
識学については以前から知ってはいましたが、実際に中身がどういったものなのか、身近に導入事例があった訳でもない中で、詳しいことまでは把握していませんでした。
※のちに木下氏はSkylandVenturesとして投資した数ある企業の中から、(株)ROXX(旧SCOUTER)を2018年度MVP企業として選び「組織的トライ&エラーを感じ成長した」として自社のブログで高評価しています。
http://labs.skyland.vc/entry/20181214/1544728932
どういう組織課題や悩みがあって識学導入を決定したのでしょうか。
中嶋様:当時、我々の課題は、事業が本当に成功するのかどうか不確実性が高い中で、まずはサービスが成長する道筋を明確にすること、顧客に対して価値を提供できるだけのプロダクトに仕上げることが最優先であり、組織そのものについてはどうしても後回しにせざるを得ない状況でした。会社経営をファイナンス・プロダクト・組織の3点で考えた時に、例えば会社の資金はいつでも確認できることから、いつまでに資金調達が必要なのかを把握することは難しくありません。またプロダクトの改善も比較的短期間の中で進めることができるため、どうしてもこうした分かりやすい変化に対して、意識が奪われがちになってしまいます。
一方で、組織の改善に対しては、何から手をつけるべきか見当もつかず、また短期間で具体的な改善が見えるものではないため、ファイナンスやプロダクトと比較した際に、優先順位が低くなりがちだった…というのが、当時の弊社の状況でした。
これまであやふやだったことが、識学の説明で納得できた
導入の決め手となったポイントはどこでしたか。
中嶋様:識学については正直、半信半疑で・・・名前からしてちょっと宗教臭い名前じゃないですか…(笑) なのでほとんど期待していない中で、とりあえず話を聞いてみようくらいの温度感でスタートしたことを覚えています。そんな初回の説明時に、識学がどういうものなのか、組織において、どのように誤解や錯覚が発生するのかを聞いている中で、決め手になることが一つありました。
何かと言うと、これまで自分が経験した採用や目標設定、評価、配属など様々な失敗について、それぞれに対して何故起こったのかを合理的に説明されたんですね。それで、もしこれを最初から知っていたらそれらの問題を防げたかもしれないと思えたことが、導入のきっかけです。
当時の我々って、正直恥ずかしい話で、それぞれの出来事に対して、起こったことは仕方ないから、とりあえず忘れて次に進もう。みたいな雰囲気で進んでしまっていました。また評価制度なども、目新しいものを好んで導入していくことがスタートアップであり、正しい。みたいな、今考えたら恐ろしいんですが、そういう盛大な勘違いをしていた訳ですね。
スタートアップの世界では、こういった組織制度や文化に関する流行が少なからずあると思っていて、例えば、会社のメンバーは全員フラットと考えるなど、それが自社にとって正しいのか否かを考えることもなく、まず取り入れてみるというスタンスの企業も非常に多いのかなと感じています。これは当時の僕らも例外ではなく、中途半端に新しい制度を取り入れた結果、実際にはほとんど機能しないということが起こっていました。
組織図を見直した
識学を導入して、まず、何から着手しましたか。
中嶋様:まず弊社の場合は、組織図を作る部分から始まりました。
自分の上司は誰か?部下は誰か?というのを明確にする、一見意味がなさそうに見えるんですが、これが意外と重複していたり不在だったりするんですよね。最初はそのくらいの基本に立ち返りました。こうした意図せず曖昧になっている部分に対して、識学をインストールすることで、明確になったことが、組織が大きくなる上で非常に有効な変化だったと実感しています。象徴的な話としては、識学を受ける前は、『360度評価』で、上司・同僚・部下の全員が相互に評価をしてました。まさかそれがダメなこととは一切思ってなかったのですが、識学的にはこれは一番のNGであると。(笑) 最初は僕も何を言ってるのかと思いましたが、ただそこにも納得できるだけの、ダメな明確な理由があり、結果的に納得した上で360度評価を廃止しました。
僕個人としては、スタートアップは事業の不確実性が高いからこそ、組織の在り方や、評価方法については、しっかりと体系化されたルールを持ち込むことで、考える変数を少しでも減らし、本当に向き合うべき課題に向き合う時間を最大化する必要性があると感じています。
また現時点で正しいと思える制度でも、社員数が増えたり、サービスがどんどん成長していく過程で、組織における課題もあらわになり、その正しさも時と共に変わって行きます。だからこそ、そういった成長にも耐えられる、持続性の高い仕組みが必要になると今では思います。組織や評価について、試行錯誤することも大事ではありますが、識学のように力強いフレームワークを導入することで、確実性の高い成長が実現できるようになることはもっと重要なのではないかと思います。
組織にどのような順番で導入していきましたか。
中嶋様:スポーツって全員が同じルールを認識していて、それを守るから成立する訳ですよね。それと同様に会社のルールも、誰でもわかるような形になっている必要があると思います。つまりなるべく分かりやすく、解釈の差が出ないものが良いルールではないかと。逆に言えば会社のルールが曖昧であるほど、できた/できていない、合う/合わない、といった認識の差が出てきてしまうので。
僕らの場合には、僕個人での受講に始まり、今ではマネジメントに関わるレイヤーには受講してもらうことで、どういった背景で今のルールが設定されたのかを同じように理解してもらい、認識の差分が出ないように努めています。
結果を出せる人にとって良い会社に
中嶋様:識学を導入してからは、特に活躍している人、結果を出している人にとって良い会社になったと思います。評価されること、されないことを明確に分け、フォーカスすべきことに集中できる環境になったことで、会社全体の成長スピードも、社員の成長に伴い上がっていると感じます。簡潔に言えば余計なことを考えなくて良くなったことが、大きな成功要因だと思います。
どんな企業や経営者が識学を導入されると良いと思われますか。
中嶋様:従業員のパフォーマンスが出ない、モチベーションが低い、社員が辞めていく理由が分からないとか、それらが意図せずに起こっているのであれば 一度、識学の説明を受けるべきかなと思います。今改めて思うことは、組織に関する問題は起こるべくして起こるということ。そして、つまり何故その問題が起こっているのか、原因がわからない限り組織は持続的に成長していくのは難しいと思うんですね。
僕のように社会人としての経験がない学生起業の人間にとっては、体系化されたひとつのルールを拠り所にすることで、 本来使うべきことに時間を使えるようになることも、非常に重要なことかと思います。100%の正解はない領域ではあるけれども、それが組織にとって良いか悪いかは結果からでしか判断ができないので、まずは忠実に一度はやってみて、不足する部分があればそれに対して試行錯誤していくことが大切だと思います。
会社を大きく成長させるために、トップが社内の問題に時間を取られることを最小限にとどめるべきです。その最も有力な手段として、識学は強力な武器だと思っています。
会社名 | 株式会社ROXX |
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所在地 | 東京都港区赤坂2-14-27 国際新赤坂ビル東館19F |
代表者名 | 代表取締役 中嶋 汰朗 |
事業内容 | agent bank、back checkの企画・開発・運営・販売 |
企業サイト | https://roxx.co.jp/ |